画期的なクリーン燃料「ホワイト水素」の巨大埋蔵地、山脈の地下に存在か 新研究
(CNN) ホワイト水素と呼ばれるエネルギー源が各地の山脈に大量に埋蔵されている可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。燃焼しても温室効果ガスを排出しないとされるこの気体の採取が可能になれば、気候危機対策の取り組みにとって大きな追い風になるとの声が高まっている。
ホワイト水素は地球温暖化につながる化石燃料の置き換えに寄与するとの期待感から、最近になって注目を集めている。一部の科学者により、ホワイト水素が地殻内部に大量に存在していると伝えられるようになったのはほんの20~30年前のことだった。
それ以降、地質学者らはその形成過程や埋蔵地点の検証を続けている。主要な問題は、どこを探索すれば人類のエネルギー需要を満たすに十分な埋蔵量を発見できるかだ。
答えを探るべく、科学者のチームはコンピューターモデルを駆使してプレートの動きを検証。ホワイト水素の形成に最適な条件を備える地域の割り出しを試みた。その結果、ピレネー山脈やヨーロッパ・アルプスといった山脈が埋蔵地の有力候補として浮上した。この研究論文は19日、科学誌サイエンス・アドバンシーズに掲載された。
水素は長年、環境に優しい燃料と目され、エネルギー消費量の多い航空、製鉄産業での活用が期待されていた。しかし商用化された水素の大半は化石燃料を利用して作られるため、水素が本来持つ温室効果削減の効力は打ち消されてしまう。
ホワイト水素がこれほど渇望される理由はここにある。
ホワイト水素は米国やオーストラリア、フランスなどの各地で発見されているが、大規模な埋蔵地を見つけることが課題となっている。