スコットランド独立投票 キャメロン首相が残留を呼びかけ
スコットランド・エジンバラ(CNN) 英国からの独立の是非を問うスコットランドの住民投票を1週間後に控え、キャメロン英首相は10日、スコットランドを訪問し、独立に賛成しないよう呼びかけを行った。
保守党と連立を組む自由民主党党首のクレッグ副首相や、野党・労働党のミリバンド党首もスコットランドを訪れ、英国への残留を呼びかけた。このために、キャメロン首相とミリバンド党首は議会での党首討論をキャンセルした。
主要3党の党首がそろってスコットランド入りしたのは、世論調査で独立支持派と反対派が拮抗しているとの結果が出たため。最新の世論調査では独立反対派が52%だったのに対し、賛成派は48%で、その差は縮まりつつある。
独立運動を主導しているのは、スコットランド民族党(SNP)党首のサモンド自治政府首相だ。
サモンド首相は10日、支持者を前に、キャメロン首相らの呼びかけを「非生産的」だと非難。「中央政界の最後のあがき」にしか見えないと一蹴した。
キャメロン首相は10日付のデーリー・メール紙に寄稿し、「スコットランドのすべての人にはっきり分かってもらいたい。私たちは心の底からスコットランドに残留してほしいと願っている」「家族がバラバラにならないことを望んでいる」と訴えた。
保守党、自由民主党、労働党はともに、スコットランドが連合王国に残るなら、同政府に対して税制や福祉政策などの権限委譲を進めると約束している。
住民投票についてはまだ態度を決めていない有権者が多くおり、その動向が結果を左右するとみられている。