ベルリンの壁崩壊から25年、希望へのメッセージ
(CNN) 東西冷戦の象徴だったベルリンの壁崩壊から9日で25年を迎え、ドイツで記念式典が行われた。
1989年11月9日、東西を分断していた壁に何万人もの住民が集まり、こぶしやハンマーやショベルを使って東西を分断していた壁を打ち壊した。当時の東ドイツ政府も手を貸してクレーン車でがれきを搬出。住民は西側になだれ込み、一党独裁の時代は終わった。
あれから25年。かつての東ベルリンには人やカネが流入し、街は大きく変わった。ベルリンは今や欧州の中心的都市となり、ドイツは世界4番目の経済大国として欧州連合市場の原動力となっている。
ブランデンブルク門前で開かれた式典にはベルリン市内や世界中から数千人が集まり、ドイツのメルケル首相はベルリンの壁崩壊を「希望のメッセージであり、どれほどの困難があっても夢はかなうというメッセージ」と表現した。
壁の一部が今も2.2キロにわたって残る「イーストサイドギャラリー」にも大勢の人が訪れた。
壁があった場所は8000個の白い風船でライトアップされ、オーケストラの演奏が終わると一斉に空に放たれる。
国立記念館では、西側への脱出を図って失敗したり国境警備員に撃たれたりして命を落とした何百人という犠牲者をしのんでろうそくがともされた。
ベルリンのボーベライト市長は、「世界にはほかにもたくさんの壁があり、自由に生きられない人たちがいる。この式典を見てもらい、そうした人たちの心を動かしたい」と語った。