米FA18戦闘機が紅海上で撃墜、友軍による誤射か パイロット2人緊急脱出
(CNN) 米中央軍は24日までに、海軍のFA18戦闘機が紅海上空で撃墜され、パイロット2人が緊急脱出したと明らかにした。友軍による誤射とみられる。
撃墜は21日に発生。初期評価によると、パイロット2人は救助され、うち1人は軽傷を負った状態という。
米中央軍によると、FA18は米海軍の空母トルーマンを拠点に活動していたところ、タイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦「ゲティスバーグ」から「誤って攻撃」を受けた。ゲティスバーグはトルーマンを中心とする空母打撃群の一部。この空母打撃群は1週間前に中東近海に入っていた。
現在、徹底的な調査が進められている。中央軍は今回の事案について、敵の攻撃によるものではないと強調した。
イエメンの反政府武装組織フーシは22日の声明で、FA18を紅海上で撃墜したと主張し、空母トルーマンを狙った攻撃にも言及した。フーシのドローン(無人機)やミサイルが米英軍から攻撃を受けたことに対する報復措置だとしている。フーシはこれまで、紅海やアデン湾で活動する米軍艦を攻撃したとの虚偽の主張を繰り返している。
パレスチナ自治区ガザで戦闘が始まって以来、米国は主要な海軍艦をほぼ絶え間なく中東に展開させてきた。フーシは紅海上の艦船を標的にしており、イスラエルによるイスラム組織ハマスへの攻撃に対する報復だと形容している。
友軍による誤射とみられる事案が起きた当日、米国はイエメン国内のフーシの目標に対して空爆を実施し、首都サヌアにあるミサイル保管施設や指揮統制拠点を叩(たた)いていた。中央軍によると、米国は片道攻撃ドローンや対艦巡航ミサイルも撃墜した。
中央軍はフーシへの攻撃について、海軍のFA18戦闘機や米空軍の兵器の使用が絡むものだったと説明している。
米軍関係者2人によると、撃墜された戦闘機はイエメンへの攻撃には参加していなかったという。