戦争開始から間もなく3年、680万人のウクライナ難民は依然先行き見通せず

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ウクライナ東部からの列車を降りた乗客=2022年3月11日、ウクライナ西部リビウ駅/Dan Kitwood/Getty Images

ウクライナ東部からの列車を降りた乗客=2022年3月11日、ウクライナ西部リビウ駅/Dan Kitwood/Getty Images

ロンドン/キーウ(CNN) ロンドンに着いた時、荷物はスーツケースが一つあるだけだった。中身はほとんどが子ども服で、幼い娘を連れていた。戦争で家を追われたウクライナ人の母親、ヤナ・フェロスさんは2022年4月に渡英。友人も身内もいない、見知らぬ土地だった。

「新しい人生をゼロから始めた」。34歳のフェロスさんはそう振り返る。ロシアの全面侵攻を逃れ、ウクライナの避難民を受け入れるホストファミリーに身を寄せたが、当時は互いに面識もなかった。

戦争が3年近く続く中、状況は一変した。今のフェロスさんにはウクライナへ帰る理由が何もないという。

元々はウクライナ東部のロシア語を話す地域の出身だ。祖母は戦争前にベラルーシへ移り、侵攻開始後もそこへ残った。両親は数年前に他界している。友人の一部は気がかりなことに、親ロシア的な政治活動の道へと入り込んでしまった。フェロスさんはロンドンでのCNNとのインタビューでそう明かした。

ウクライナとの最後のつながりだった夫は出国できず、フェロスさんの国外滞在が長期化する中、両者は最近離婚手続きを完了した。

夫からは、戦争はいずれ終わると繰り返し告げられた。少しの間待てば一緒に暮らせると夫は訴えたが、フェロスさんはずっと以前に希望を捨てていた。もうウクライナで安全に家族を育てることはできないと思った。

フェロスさんと娘を含め、現在680万人のウクライナ人が国外で避難を続けている。大半は欧州にいるが、先の見通せない生活を余儀なくされているのが実情だ。

もし英国政府が来年で期限を迎える難民ビザを延長しなければどうなるのか。フェロスさんは毎日そのことを考える。「代替策のようなものは何もない」という。

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