インドネシア、警官志願の女性に「処女検査」 人権団体が非難
ジャカルタ(CNN) インドネシアの国家警察が警官を志願する女性に苦痛をともなう「処女検査」を義務付けていることに対し、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が「人権侵害だ」と非難する報告書をまとめた。
報告書によると、この検査は女性警官になるために必要な健康診断の一部として、国内各地の警察病院で長年行われている。
国家警察のウェブサイトには「女性警官は処女を守らなければならない」と明記され、既婚女性の応募は認められていない。
警察の報道官はCNNに、警官志願者には男女を問わず、生殖器も含めた徹底的な身体検査を義務付けていると説明。「警察に入った後で体調を崩さないか、職務に影響を及ぼすような感染症にかかっていないかを確認するのが目的だ」と語り、HRWの報告書は一面的だと批判した。
これに対してHRWは、複数の女性警官や志願者、警察の保健、採用部門などの話に基づいた報告だと反論。検査は「差別的、残酷かつ屈辱的」であり、「主観的で非科学的」だと主張する。
ある志願者は「検査は本当に痛かった。痛みで気を失った友人もいる」と話したという。同国で女性の人権擁護を訴える活動家によると、一部の女性たちは検査の苦痛と恥辱によるトラウマを今も抱えている。
HRWは、この検査が優秀な女性を警察から遠ざけていると指摘し、即刻中止するよう求めた。HRWによれば、同国では女子生徒への処女検査が問題になったこともあり、さらにエジプトやインド、アフガニスタンの警察でも同様の問題が指摘されているという。