エジプトが手配したアルジャジーラ記者、ドイツで拘束
(CNN) 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは21日までに、同局のジャーナリスト、アフメド・マンスール氏がドイツ当局に拘束されたと発表し、ドイツ側に釈放を求めた。
マンスール氏はベルリンの空港で、カタール行きの便に搭乗しようとした際に拘束されたという。
同氏はエジプトで、2011年に首都カイロのタハリール広場で弁護士を拷問したとして被告不在のまま裁判にかけられ、昨年禁錮15年の刑を言い渡されていた。
エジプトは国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)にマンスール氏の手配を要請したが、アルジャジーラによればインターポールはこれに応じなかった。
マンスール氏は声明で、ドイツ当局がエジプト当局の要請を受けて自身を拘束したとの見方を示した。同氏はドイツ警察に対し、インターポールがエジプトの要請を拒否したこと、自身が手配されていないことを証明する書類もあることを改めて伝えたという。
エジプトでの裁判について、同氏は「作り話」と主張。アルジャジーラも、同氏への中傷を目的とした「見え透いたたくらみ」だと非難している。
ドイツ警察は、ベルリンのテーゲル国際空港で20日午後、「インターポールの要請に基づいて」ジャーナリストを拘束したことを認めたものの、名前の公表には応じていない。
エジプト当局は同氏とは別に、13年12月にアルジャジーラのジャーナリスト3人を拘束した。3人は同年7月の軍事クーデター後に非合法化されたイスラム組織、ムスリム同胞団を支援し、政権転覆を図ったとして罪に問われたが、同組織とのかかわりなどを一貫して否定。3人のうち1人は今年釈放され、出身国のオーストラリアへ送還された。残る2人についても再審理中の保釈が認められた。