トルコ爆弾テロ 死者97人に、数千人が追悼集会に参加
トルコ・アンカラ(CNN) トルコの首都アンカラで起きた爆弾テロ事件から一夜明けた11日、現場近くに数千人が集まって追悼集会が開かれた。同日までに確認された死者は97人、負傷者は約250人に上っている。依然として犯行声明は出されていない。
英シンクタンク、アジア太平洋財団のサジャン・ゴヘル氏は10日に予定されていた集会について、「トルコ人やクルド人など民族の団結を示す平和集会になるはずだった。だが今回の攻撃でそれが引き裂かれた」と述べ、トルコ社会の対立や不信感が一層深まる恐れがあると指摘した。
ダウトオール首相はテレビ演説で、爆発は2人の自爆テロ犯による犯行との見方を示している。
11日の追悼集会では集まった人たちが犠牲者に哀悼の意を表した。しかし花を供えるため現場に近づこうとした野党議員らのグループが、警察に阻止されて小競り合いになり、警察が催涙弾を宙に向けて撃つ場面もあった。
ゴヘル氏は今回の事件について、「政治的、経済的、社会的反動を引き起こすのが狙いだった。総選挙を控えて今後もトルコの社会的構造を一層傷つけるような事態が相次ぐ可能性もある」と危惧する。
オバマ米大統領は10日、トルコのエルドアン大統領に哀悼の意を伝え、米国民はトルコの国民と団結してテロと戦うと強調した。
ローマ法王フランシスコも11日にサンピエトロ広場で行ったミサで事件に触れ、平和のための集会に参加していた無防備な市民が犠牲になったことを嘆いた。