チリ落盤事故から5年、映画化受け生還者がローマ法王と面会
(CNN) 5年前に起きたチリの鉱山落盤事故で、2カ月以上も坑内に閉じ込められた末に救出された作業員の一行が14日、バチカンを訪れてローマ法王フランシスコと面会した。
落盤事故は2010年に発生し、作業員33人が生き埋めになった。救出されるまでの間、作業員らは小さな聖書のページをじっと見つめながら、生きて脱出したいと祈っていたという。
一行は落盤事故を題材にしたワーナー・ブラザースの映画「The 33」の宣伝のためローマを訪問中。フランシスコ法王と一緒に記念写真を撮り、作業員1人ひとりの署名が入ったヘルメットや、鉱山から持ち帰った石を法王に贈った。
写真は同映画のフェイスブック公式ページに掲載された。法王が笑顔で祝福している5歳のエスペランサ・ティコナ君は、父のアリエル・ティコナさんが坑内に閉じ込められている間に生まれた。エスペランサの名はスペイン語で「希望」を意味する。
救出劇から5年。作業員の1人だったホルヘ・ガジェギジョスさん(61)は最近のインタビューで、落盤事故が起きた時、もう家族には会えないと思ったと振り返った。今は年金で暮らしながら、現場の鉱山に観光客を案内して寄付を募る。
今も地下に閉じ込められていた恐怖は消えず、毎朝午前4時になると悪夢にうなされて目を覚ます。チリ伝統の踊りを踊ったり教えたりして、悪夢を振り払っているという。