タリバーン、アフガン要衝から撤退も目標達成を強調
(CNN) 反政府勢力タリバーンはこのほど、アフガニスタン北部の要衝クンドゥズからの撤退と、同市での戦略目標の達成を宣言する声明を発表した。タリバーンは先月、クンドゥズをほぼ掌握することに成功したが、米軍の支援を受けたアフガン政府軍が先ごろこれを奪還していた。
CNNが14日に受け取った電子メールの声明の中で、タリバーンは「クンドゥズに対し高度に組織された作戦」を仕掛け、「わずか数時間のうちに敵の防衛戦を突破することに成功し、空港を除く市全体を占拠した」と述べている。
声明ではさらに、「ムジャヒディン(イスラム聖戦士)や聖戦を支持したとして告発された無実の数百人」を同市の刑務所から脱獄させるなど、多くの目標を達成したと指摘。また軍事的要衝とされている同市を占領したことで、「敵の勢力の間にパニックの波」を引き起こしたと主張した。
タリバーンの兵士らは装甲人員輸送車や数トンに及ぶ武器弾薬などを奪ったほか、官公庁などから文書を入手。外国の部隊が依然として駐留するなかでも「アフガン全土」で目標を達成できることを証明したという。
またこうした成功に伴う損失はわずかで、民間人の犠牲者も「最小限に抑えられた」としている。
ただ、「クンドゥズ市を守るための長い戦いで、ムジャヒディンに肉体的・物質的な損失という不毛なコスト」が生じたとも説明。これにより、同市から離れた周辺の農村地帯に撤退することを余儀なくされたと付け加えた。
クンドゥズをめぐっては、アフガン当局者が先月、病院や刑務所を含む大部分がタリバーンの手に落ちたことを認めていた。数日にわたる激戦の末、米軍の助けを受けたアフガン特殊部隊が同市を奪還したものの、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」の病院が誤爆されるなど、民間人に多くの死傷者が出た。