バンコクの「飛行機の墓場」で暮らす人々
近所で体を洗った後、自宅に戻る飛行機の住民。ここにあるボーイング747などの飛行機は、適切にメンテナンスを行えば、一般に30年以上持つと言われている。
機内の床に落ちている汚れた酸素マスクを見ると、その飛行機がかつて実際に空を飛んでいたことが分かる。
通常、使用されなくなった飛行機は廃棄施設に送られ、利用可能な部品を取り除いた後、スクラップにされる。米国アリゾナ州ツーソンの飛行機廃棄施設が世界最大と言われている。
単通路型中距離機マクドネル・ダグラスMD―82は、ダグラスDC―9の改良版で、その歴史は1980年までさかのぼる。1999年にMD―80シリーズの製造が終了した。ただ、この空き地に放置された飛行機がどのくらい古いかは定かではない。
廃棄された飛行機内の自宅で、プラスチック板であおぎながらラジオを聞くタイ人男性。
MD―82のコクピット内。現在の標準から見るとやや単純な操縦装置から、この飛行機が製造された時期をうかがい知ることができる。