バンコクの「飛行機の墓場」で暮らす人々
(CNN) 飛行機を頻繁に利用する人の中には、まるで自分の住まいは機内のようだと不満をもらす人もいるかもしれない。だが、タイの首都バンコクには、飛行機以外に住む場所がない人々もいる。
飛行機での生活といっても、現代の比較的快適な空の旅とは無縁だ。
彼らはバンコク東部ラムカムヘンの私有地に廃棄されたボーイング747などの機体の残骸の中で生活している。生活に安らぎを与える物といえば、飛行機の窓につるされていた間に合わせのカーテンや床に敷かれたマットくらいだ。経済成長を続けてきたタイだが、貧富の格差は依然として存在する。
2年前からタイで暮らすフォトジャーナリストのテイラー・ワイドマン氏は最近、この「飛行機の墓場」を訪れた。
バンコクの東ラムカムヘンにあるこの私有地には、ボーイング747の機体など、廃棄された航空機の残骸であふれている。ここには3世帯の家族が住んでいる。
家族らはリサイクル用のごみを集めて生活しているが、1日数ドルにしかならないという。
残骸の中には、かつてタイの格安航空会社オリエント・タイ航空が使用していたマクドネル・ダグラスMD-82の機体もある。
家族らが暮らす飛行機の中の「家」には、最低限のインテリアしかない。タイ国王の写真が飾られており、窓には間に合わせのカーテンがかかっている。