イスラエル軍兵士を拘束、負傷し倒れたパレスチナ人に銃撃
エルサレム(CNN) イスラエル国防軍は26日までに、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ヘブロン市で、刃物による襲撃事件に関連して負傷し、路上に倒れていたパレスチナ人男性の頭部に銃弾を撃ち込んでいたイスラエル軍兵士を拘束したと発表した。
拘束は、イスラエルの人権擁護団体「ベツェレム」が現場で撮影した銃撃場面のビデオ映像の公表がきっかけとなった。映像は、少人数の軍兵士と医療担当兵士が倒れているパレスチナ人男性(21)の周辺に集まっている様子などをとらえていた。
ベツェレムは映像と合わせた声明で、負傷し倒れているパレスチナ人への銃撃は周辺にいた多くの兵士らが気付いていない状況の中で起きたとみられると述べた。
イスラエル軍によると、撃たれた男性は同じ現場で直前の時間帯に発生していた軍兵士1人の刺傷事件の容疑者2人のうちの1人。残る容疑者も21歳のパレスチナ人で刺傷事件が起きた際に発砲を受け、死亡していた。
イスラエルのヤアロン国防相は、拘束された兵士の行動はイスラエル軍の価値基準に反するとし、最も厳しい方法で対処すると述べた。憲兵隊が調査を開始した。イスラエル軍は、ベツェレムの映像が公表される前に現場の司令官が今回の不祥事を報告していたとも主張した。
パレスチナ自治政府のジャワド・アウワド保健相は「戦争犯罪」の行為と指弾し、イスラエル軍がパレスチナの民間人に対して行う現場での処刑を物語る非常に明白な証拠と主張した。