パキスタンでまたポリオ接種阻止の攻撃、警官7人殺害
(CNN) パキスタン・カラチの警察当局は21日までに同国の主要都市カラチで子どもへのポリオワクチンの接種作業に当たっていた医療従事者を警護する警官が武装勢力に銃撃され、7人が殺害されたと報告した。
同市があるシンド州の警察幹部によると、襲撃は2度あり、医療従事者が作業する民家外などで起きたとしている。
反政府勢力のパキスタン・タリバーン運動(TTP)の分派組織TTPーJAの報道担当を名乗る人物が声明で犯行への関与を認めた。パキスタンにイスラム教に基づいた政権樹立を目指す治安機関要員らへの闘争の一環であるとし、今後も続けると主張した。
警察当局は事件現場での薬きょう鑑定などから実行犯の背後関係を突き止めたとし、薬きょうは以前に発生した事件で見付かったものと一致したと述べた。
パキスタン内でポリオワクチンの普及に当たる医療従事者への攻撃は過去にも多発している。西部クエッタでは今年1月、政府実施の同ワクチン接種作業が自爆テロ攻撃を受け、警官13人と民兵要員1人が死亡し、25人が負傷する事件も発生していた。
世界保健機関(WHO)によると、パキスタンは隣国のアフガニスタンと並ぶポリオ流行の最大被害国となっている。
パキスタン過激派がポリオワクチンの接種作業に反発する理由は2011年に米海軍特殊部隊がパキスタン北部アボタバードの潜伏先を襲い、アルカイダ最高指導者のオサマ・ビンラディン容疑者を殺害したことに根差すとの指摘がある。米国は当時、同容疑者の存在を確認するため同ワクチン普及を名目に隠れ家を調べたことがあった。