政府幹部の家族によるビジネス、取り締まりを強化 中国
香港(CNNMoney) 中国の国営メディアは21日までに、同国共産党が中央政府や地方政府の幹部らに対し配偶者や子息子女が起業したり地方自治体絡みの事業への関与を禁止する制度の試験運用を開始したと報じた。
運用は昨年5月、上海で最初に実施。今後は北京市、広東省、重慶市や北西部の新疆ウイグル自治区でも始まる予定。上海では、行政当局者ら10人が地位をはく奪され、別の10人が異種の職位へ異動となり、3人が違反行為容疑の取り調べを受けたという。
中央政府幹部らの事業禁止などに関する方針は習近平(シーチンピン)国家主席が率いる社会・経済改革に関する政府委員会による決定事項を受けたものとしている。国営メディアはこの会合での合意事項の概略などは伝えたものの、実施方法に関する詳細には触れなかった。
今回の決定の公表は、世界の政治指導者らとタックスヘイブン(租税回避地)の関係が最近暴露された「パナマ文書」の中で習主席ら中国共産党の現旧指導者の親族の名前も浮上した時期と符合している。ただ、同文書では違法行為などが含まれているのかについては明らかにしていなかった。中国の政治指導者や家族の私的財産の問題は共産党にとって極めて微妙な問題となっている。
習主席は近年、反腐敗の摘発を強化し、市トップを含む多数の共産党幹部らを摘発していた。摘発拡大の狙いについては、党の清浄、権力の基盤固めや国民の党への信頼強化などの見方が出ている。