シモン・ペレス前イスラエル大統領死去、中東和平交渉に尽力
(CNN) イスラエルとパレスチナの中東和平交渉に尽力してノーベル平和賞を受賞したイスラエル前大統領のシモン・ペレス氏が27日、死去した。93歳だった。
大統領の任期が切れて2014年に政界を引退するまで半世紀あまりにわたって首相や大統領、主要閣僚の要職を歴任し、イスラエルの顔として国内外で尊敬を集めた。2週間前に脳卒中を起こし、一時は持ち直したと伝えられたが、回復はかなわなかった。
ペレス氏は外相時代にイスラエルとパレスチナが調印したオスロ合意の成立に貢献し、当時のラビン首相、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長と共に94年、ノーベル平和賞を受賞した。
ラビン氏が95年に暗殺された後は首相に就任。イスラエルとパレスチナの2国家共存を目指したが、パレスチナ人による自爆攻撃が相次いだことを受けて苦境に立たされ、次の選挙で敗北した。
2007年にはイスラエルの大統領として初めて、イスラム国家トルコの議会で演説した。11年にはパレスチナとの和平交渉を呼びかける一方、国連に対しては和平交渉から離れてパレスチナを独立国家として承認することに反対を表明した。
12年にはオバマ米大統領から大統領自由勲章を授与され、14年に政界を引退した後も中東和平を目指して尽力を続けた。
1923年、ポーランド生まれ。32年に英国委任統治領パレスチナに移住し、48年のイスラエル独立戦争ではイスラエル軍のための武器調達を担当した。50年代に始動させた核開発計画については、今も伏せられたままとなっている。