ミサイルから子猫まで――外貨獲得手段は「切手」 北朝鮮
(CNN) 北朝鮮はこのほど、朝鮮戦争の記念切手や毎年恒例となっている「米帝国主義と闘う月間」のシリーズ切手を発行した。
米連邦議会議事堂を狙う弾頭や、米国のミサイルを撃墜する拳をあしらった切手は、北朝鮮が何年も前から発行を続けてきた反米プロパガンダ切手の一環。しかし実はそうした図柄は、毎年発行されている多種多様な切手のごく一部にすぎない。
北朝鮮の切手発行機関のウェブサイトに掲載されている70種類を超す切手の中には、「革命の歴史」「敬愛すべき同志、金正恩」などのシリーズに加えて、交通機関やインフラの開設を記念する切手、さらには、げっ歯類やキノコ、甲殻類、チェスなどの切手もある。可愛い子猫を描いた切手も人気があるらしい。
北朝鮮情勢に詳しいカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のロス・キング氏によると、北朝鮮は海外のコレクター市場に照準を絞ってこうした切手を発行することで、安定した収入源を確保することを狙う。
1980年代には欧米の収集家に購入させることを想定して、ダイアナ元妃やドイツ女子テニスのシュテフィ・グラフ選手のシリーズ切手を発行したこともあるという。
しかし今では欧米で切手を収集する人がほとんどいなくなり、北朝鮮の切手の照準は中国にシフトした。ここ数年は北朝鮮と中国の友好関係や、中国のポップカルチャーをテーマにした切手が増えているという。
1990年代に香港返還の記念切手が発行されたのをはじめ、今年は酉年の記念切手も登場した。