豪警察が男を逮捕、北朝鮮のミサイル売却など仲介した疑い
(CNN) オーストラリア連邦警察は17日までに、北朝鮮から外国へのミサイル売却などを仲介し、石炭の密輸も計画していた疑いで、シドニーに住む男を逮捕した。現地のCNN系列局が伝えた。
警察によると、逮捕されたのは韓国出身でオーストラリアに帰化したチャン・ハン・チェ容疑者(59)。北朝鮮に収益をもたらす目的で、北朝鮮が外国へミサイルやミサイル用の技術、ソフトウエアを売却するための仲介役を務め、大量破壊兵器の供給を図った疑い。
さらに、北朝鮮の石炭をベトナムやインドネシアの組織へ密輸させようとした疑いも持たれている。
こうした行為は国連やオーストラリアが北朝鮮に科している制裁に違反する。
連邦警察の幹部によると、同国で大量兵器法違反や北朝鮮への国連制裁違反の容疑が適用されるのは初めて。取引が成功していれば、数千万ドルの規模に及んだとみられる。
ただし問題になっているのは全て国外での活動で、オーストラリア国民が危険にさらされたり、同国へ武器が輸入されたりした恐れはないという。
警察は外国組織から提供された別件の情報から手掛かりを得て、数カ月前から同容疑者の捜査を続けていた。16日にシドニー市内で捜査令状を執行し、同市近郊で容疑者を逮捕した。
有罪となれば最大で禁錮10年の刑を科される可能性がある。警察によれば、今後さらに別の容疑が加わることも考えられるという。