トランスジェンダーの女性が襲われ死傷、原因は偽情報 インド
ニューデリー(CNN) インド南部ハイデラバード郊外の路上でトランスジェンダーの女性グループが群衆に襲われ、1人が死亡、3人が重傷を負った。地元警察幹部によると、襲撃のきっかけになったのは、トランスジェンダーの集団が子どもを拉致しているとの偽情報だった。
女性たちは26日の夜11時ごろ、商店街で物ごいをしていたところを若者らに襲われた。若者らは、女性たちが子どもをさらいに来たと主張。20人前後が襲撃に参加し、200人ほどの群衆が周りからはやし立てたという。警察幹部はCNNに、28日までに12人が拘束されたと述べた。
インドでは南東部を中心に半月ほど前から、メッセージ交換アプリ「ワッツアップ」などを通し、子どもたちを拉致する犯罪集団のうわさが広がっていた。国内で亡くなった子どもの姿とされる画像も出回ったが、実際にはシリアやミャンマーの写真だったという。
同幹部は、ハイデラバードに拉致集団がいるとのうわさに根拠はないと強調。市民にパニックを起こさせようとする悪質ないたずらだと指摘した。
同市郊外の別の街でも25日、精神障害を持つ男性が拉致集団のメンバーだという偽情報に基づいて襲われ、衣服を脱がされたり棒やパイプで殴られたりしていた。
地元警察はソーシャルメディア上でうわさを否定するキャンペーンを実施し、拉致集団のうわさに関する市民講習会を開くなど、対策に力を入れている。