ノーベル文学賞めぐる性暴力疑惑、渦中の写真家を強姦容疑で訴追
(CNN) 今年のノーベル文学賞発表が延期された問題に関連して、性暴力疑惑の渦中の人物だったフランス人写真家が、強姦容疑で訴追された。スウェーデンの検察当局が12日に発表した。
訴追されたのは、ノーベル文学賞の選考を担うスウェーデン・アカデミーと近い関係にあったジャンクロード・アルノー容疑者。ストックホルムで2011年、2度にわたって女性を強姦した罪に問われている。
検察は、立件できるだけの十分な証拠があると判断した。
CNN系列局が弁護士の話として伝えたところによると、同容疑者は容疑を全面的に否認しているという。
スウェーデン・アカデミーは5月4日、今年のノーベル文学賞の発表を2019年に延期すると発表していた。ノーベル文学賞の75年の歴史の中で、延期は初めての事態だった。
スウェーデンでは文化人として有名なアルノー容疑者だが、昨年暮れの新聞報道で、性的暴行やセクシュアルハラスメントに関与した疑惑が浮上。同紙の取材に対して18人の女性が、1996~2017年にかけて被害に遭ったと訴えていた。
スウェーデン・アカデミーはまた、アルノー容疑者と、同容疑者の妻で2カ月前まで同アカデミーの会員だったカタリーナ・フロステンソン氏が運営する文化フォーラムに資金を拠出していたことが発覚し、自らの利益相反規定に違反するとして非難されていた。
疑惑の発覚を受けて、同アカデミーの会長だったサラ・ダニウス氏やフロステンソン氏を含む6人が辞任、アカデミーの実質的な会員は10人のみとなっている。