型破りなトランプ外交、日中の接近招く結果に
(CNN) そのとき、なんとも決まりの悪い瞬間が世界中のメディアに発信された。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席と日本の安倍晋三首相が、両国の指導者として2014年に初めて会談。握手はしたが目はうつむき加減で、表情は厳しかった。
両者ともまるで、北京でのこの会談を楽しんでいると受け取られるのだけは何としても避けようと、固く心に決めているかのようだった。
それから4年が経過し、安倍首相は25日、中国を初めて公式訪問する。あのときよりはるかに暖かい歓迎を受ける予定だ。
その大きな要因は米国のドナルド・トランプ大統領にある。
トランプ政権の貿易や軍事同盟に関する型破りな外交方針の結果、日本政府は米国からの支援に不安を抱くようになっている。第2次世界大戦終結以来、米国からの支援は日本にとって国際関係を築く上での礎であり続けた。
トランプ大統領は東アジアの同盟国に対して、自国の防衛予算増加を何度も要求し、同地域での米軍のプレゼンスに終止符を打つ意向を示してきた。一方で日本には、米国製の武器をさらに多く購入するよう促した。
東シナ海の向こう側にいる中国は、トランプ政権からの圧力が日増しに高まるなか、この地域での外交的、経済的な味方を切実に必要としている。
上智大学で政治学を専門とする中野晃一教授は、日中両国が米国のターゲットになっていると指摘。習主席は安倍首相に「我々はこの点で一緒だ」と呼び掛けたいとの見方を示す。