トランプ氏、米ロ首脳会談を急きょ中止 ウクライナ艦船拿捕受け
(CNN) トランプ米大統領は29日、ロシアのプーチン大統領との首脳会談を中止すると急きょ表明した。両氏は20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、12月1日に会談する予定だった。
トランプ氏は中止の理由について、ロシアが拿捕(だほ)したウクライナ艦船の返還や拘束した乗組員の解放を拒んでいるためとしている。
ただ、この出来事をめぐるロシアの立場は、25日にウクライナ艦船に対する攻撃を行って以降、変わっていない。一方、中止の発表前には、元個人弁護士のマイケル・コーエン被告が、トランプ氏のロシア事業に関する偽証の罪を認めていた。
トランプ氏はツイッターで、ウクライナ艦や乗組員の返還が実現していないことに言及。「この事実を踏まえ、アルゼンチンで予定されていたプーチン大統領との会談を中止することが全関係者にとって最善だと判断した。状況が解決され次第、再び有意義な会談を持てると楽しみにしている」と述べた。
トランプ氏はこの1時間ほど前、記者団に対し、プーチン氏と会談する「とても良い機会だ」と話していた。会談中止を発表したのは、G20に向かう大統領専用機に搭乗した直後のことだった。
機内ではサンダース大統領報道官が記者団に対し、トランプ氏の決定について、ポンペオ国務長官やケリー大統領首席補佐官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)との協議を踏まえたものだったと説明した。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「(トランプ氏の)ツイートとメディアの報道しか見ていない。公式情報はまだだ」とした上で、「中止が事実なら、別の有益な会談に使える時間が増えるだろう」と述べた。