トランプ氏と最高裁長官、異例の応酬 「オバマ判事」発言めぐり
(CNN) 米連邦最高裁のロバーツ長官は21日、トランプ米大統領が連邦判事を「オバマ判事」などと呼んで批判したことを受けて声明を出し、トランプ氏に異例の苦言を呈した。これに対し、トランプ氏は反論を展開している。
ロバーツ氏は声明で、「オバマ判事もトランプ判事も、ブッシュ判事もクリントン判事もいない」と説明。「いるのは出廷した人を公平に扱おうとベストを尽くす献身的な判事たちだ」とした上で、独立した司法に誰もが感謝すべきだと強調した。
これに対し、トランプ氏は同日、ロバーツ氏の声明のきっかけとなった前日の発言内容を改めて主張した。
ツイッターで「ジョン・ロバーツ長官には申し訳ないが、『オバマ判事』は実際にいる。彼らは米国の安全を担う人々とは大きく異なる視点を持っている」と言及。「第9巡回裁判所が本当に『独立した司法』であれば素晴らしいことだが」と述べた。
数分後には第9巡回裁判所について、国境管理や治安に関する訴訟が数多く提起されながら、その多くが覆されているとし、「数を調べてくれ。ショッキングだ」などと話した。
これより前、カリフォルニア州北部地区の連邦地裁が、不法入国者による亡命申請を制限するトランプ政権の方針に対し、一時差し止め命令を出していた。同地裁の上訴審は第9巡回裁判所となっている。
トランプ氏は20日、第9巡回裁判所を批判し、「第9巡回裁判所の訴訟では我々がいつも負けて、入国禁止令のように最高裁に上訴する羽目になる」「これはオバマ判事だ。もうこういうことは起きない」などと述べていた。
ロバーツ氏はジョージ・W・ブッシュ大統領が指名した判事で、連邦司法制度で最高位の人物。