トランプ氏、サウジとムハンマド皇太子への強硬措置を否定
ワシントン(CNN) サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件をめぐり、トランプ米大統領は20日の声明で、サウジや同国のムハンマド皇太子に対して強硬措置は取らない意向を示した。
トランプ氏は「米国第一!」と副題を付けた声明で、「ムハンマド皇太子はこの悲劇的な出来事について知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない」「事実が全て解明されることはないかもしれない」と述べた。
同時に「世界は危険な場所だ」と強調して、サウジとの関係維持を優先させる立場を示し、同国はイランとの戦いにおける重要な同盟国だと主張。さらに、サウジが約束している対米投資は大量の雇用や軍需を生むことが期待されるのに、それを断ればロシアや中国を喜ばせることになると警告した。
カショギ氏殺害をめぐっては、サウジの治安当局全体を掌握しているムハンマド皇太子の指示や承認がなかったとは考えにくいとの見方が強い。米中央情報局(CIA)は皇太子の指示だったとする見解を示し、米議会の与野党議員からサウジへの強硬措置を求める声が上がっている。
一方で、サウジが対イランをはじめとする米国の中東政策に大きな役割を果たしてきたことや、ムハンマド皇太子とトランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問が親しい関係にあることなどから、ホワイトハウスは対応に苦慮している。