サウジ記者殺害の音声記録、カナダ首相「捜査官が聴いた」
(CNN) カナダのトルドー首相は13日までに、自国の捜査官がサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害に関連する音声記録を聴いていたことを明らかにした。カショギ氏は先月2日、結婚の手続きのためトルコのサウジ総領事館を訪れた際に殺害された。
この事件をめぐっては、トルコのエルドアン大統領が問題の音声記録をサウジと米英独仏の計5カ国に提供したと明言していた。
トルドー首相は、第1次世界大戦の終戦100年記念式典のために訪れたパリで記者団に対し、カナダの捜査官が音声記録を聴いたことを確認した。ただ首相自身は音声記録を聴いていないとした。
同首相は「引き続き同盟国と協力し、カショギ氏殺害の真相究明に取り組んでいく。また考えを同じくする同盟国との協議を通じ、サウジ政府への今後の対応を検討する」と述べた。
トルコの当局者は問題の音声記録の中身をほとんど説明しておらず、実際にどの国の当局者が音声記録を聞いたのかについても現時点ではっきりしたことは分かっていない。
フランスのルドリアン外相は12日、地元のテレビ局とのインタビューで、トルコからフランスへ音声記録が提供されたのかどうかについて「まったく関知していない」と語った。
英国政府は、音声記録の所持に関するCNNの取材に対し確認も否定もしないとした。ドイツ政府も音声記録についてのCNNの質問にはコメントを控えたが、政府報道官は12日の記者会見で、ドイツとトルコの「情報当局者同士でやりとりがあった」と明らかにした。