サウジ記者殺害、CIAがムハンマド皇太子の命令と断定
(CNN) サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害事件で、米中央情報局(CIA)がサウジのムハンマド皇太子の命令と断定したことが分かった。米当局高官が16日、CNNに明らかにした。
米紙ワシントン・ポストも同日、事情に詳しい関係者の話として、皇太子の命令と報じた。
CIAは複数の情報源を調査してこの結論に至っており、米当局者はCIAの分析に自信を持っているという。
CIAの報道官はポスト紙へのコメントを控えた。サウジ政府は、殺害事件へのムハンマド皇太子の関与を否定している。
在米サウジ大使館の広報担当はポスト紙の取材に、CIAの分析は誤りだと主張。「さまざまな説が流れているが、こうした臆測の主たる根拠はまだ目にしていない」と述べた。
カショギ氏は10月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪れたのを最後に行方不明となった。カショギ氏失踪に関するサウジ政府の説明は二転三転している。
CIAの分析対象となった情報には、ムハンマド皇太子の弟、ハリド王子からカショギ氏にかけた電話が含まれている。ポスト紙によると、カショギ氏に対し総領事館に書類を取りに行くよう促す内容で、ムハンマド皇太子の指示でかけたものだという。
ハリド氏はツイッターでポスト紙の報道を否定し、カショギ氏と電話で話したことはないと主張した。
CIAはまた、トルコから提供されたサウジ総領事館内の音声記録と、カショギ氏殺害後に総領事館内からかけられた電話の記録も調査。電話は暗殺チームのメンバーだったとされるマヘル・ムトレブ氏が皇太子の最側近にかけたもので、作戦完了を報告しているという。