トランプ氏、感謝祭の電話を政治利用 移民や判事を批判
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は22日、感謝祭の祝日に合わせ、世界各地に駐留する米軍要員と電話で協議した。会話の流れを政局絡みの方向に持って行き、露骨に政治的な姿勢を打ち出した。
トランプ氏はアフガニスタンに駐留する米軍将官との電話で、テロとの戦いを移民集団の不法入国を阻止する取り組みになぞらえ、政権に不利な判断を示した連邦判事を批判した。バーレーンに派遣された沿岸警備隊船の司令官との会話では、貿易について尋ねた後、自らの通商政策を自賛し、「世界のあらゆる国が我々につけ込んでいる」と主張した。
米大統領による感謝祭の電話ではこれまで、海外駐留兵の士気を高め、彼らの貢献を国内に強調するのが通例だった。だが、トランプ氏は電話後に記者団の質問に答えた際も、サウジアラビア人記者殺害事件に関する米中央情報局(CIA)の分析に触れ、改めて疑念を示した。
トランプ氏は過去にも、軍の政治利用をいとわない姿勢を示してきた。今回は南部国境に6000人近い米兵を派遣した施策を正当化。空軍将官がアフガンでの戦闘の目的について、テロリストが再び米国にたどり着くのを防ぐためと説明したところ、この将官を自身の強硬な移民政策の支持者と位置づける場面もあった。
さらにトランプ氏は改めて司法への不満を示し、第9巡回連邦控訴裁判所が「我々の大きな悩みの種になった」と主張。「判事が君たちに国境を守る方法を指示するとはとんでもないことだ。恥辱だ」と述べた。
トランプ政権の移民政策をめぐっては今週、カリフォルニア州北部地区の連邦地裁が、不法移民による亡命申請を制限する方針について一時差し止め命令を出していた。同地裁は第9巡回連邦控訴裁を上訴審としている。