モスクワの美術館から絵画盗む、男を逮捕 白昼堂々の犯行
(CNN) モスクワ中心部にあるトレチャコフ美術館から、ロシアの風景画家クインジの作品1点を持ち去ったとされる男(31)が逮捕された。
ロシア内務省の報道官が28日、モスクワ近郊の村で男を拘束したと発表した。盗まれた絵画は近くの建設現場から回収されたという。同報道官は、利益目当ての犯行だったとの見方を示した。
容疑者は27日、美術館の中を何食わぬ顔で歩き回り、作品を取り外して持ち去る姿が防犯カメラに映っていた。
ロイター通信によると、当局は計画的な犯行とみて、共犯者がいたかどうかなどを調べている。
/防犯カメラがとらえた絵画を盗む男の画像/Credit: TASS/Getty Images
クインジは19世紀後半の風景画家で、光や色を使った実験的な試みや、科学界の新発見を取り入れた作風で知られる。
国営タス通信が捜査当局筋の話として伝えたところによると、回収された絵画は時価100万ドル(約1億900万円)前後と推定される。
美術館の館長は記者会見で、今のところ作品に損傷は見つかっていないと述べた。
館内では2月半ばまでクインジ展が開かれているが、この作品は展示室に戻さず、保管庫に収納する予定だという。
トレチャコフ美術館では昨年5月、酔った男が閉館直前に侵入し、名画を棒でたたいて激しく損傷させる事件が起きていた。