南シナ海での中国の行動看過せず、米国防長官代行
シンガポール(CNN) シャナハン米国防長官代行は6月1日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」で講演し、規則に従った行動を見せ始めるまで米国は中国を十分に信頼することは出来ないとの旨の考えを示した。
中国を名指しすることは避けながらも、一部の国は主権論争が続く南シナ海を含むインドアジア太平洋地域で威圧的な措置を打ち出していると主張。係争地域で人工島の造成、先端兵器の配備を進め、経済面では略奪的な動きを示し、国家の支援が疑われる軍民両用の技術の窃盗に関与していると強調した。
これらの表現は米国が以前、中国を非難する際に用いたものと一致している。
F35戦闘機を載せて南シナ海を進む米海軍の強襲揚陸艦ワスプ/DANIEL BARKER/US NAVY
シャナハン氏はインド太平洋地域は米国にとって安全保障上の観点から最も重要な場所であるとも説いた。
講演の途中では中国に直接的に言及し、地域の繁栄を図る上で一時はパートナー国だったが、前向きなパートナー国に再度なるためには行動方法の変化が必要と主張。他国の主権を侵食し中国の意図に不信感を植え付ける振る舞いは終えなければならないとも続けた。
登壇するシャナハン米国防長官代行/Mark Phillips/CNN
また、講演後には会場からの質問を受け、「我々は中国の行動を看過しない。過去にはこの点について用心深い扱いがされてもいた」と中国をけん制した。
一方、シャナハン氏は5月31日、同じくアジア安全保障会議に出席している中国の魏鳳和(ウェイフォンホー)国防相と会談。次世代通信規格「5G」などの問題で意見交換したことを明らかにした。5Gの問題に絡め、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に触れ、中国政府に非常に近く、製品のネットワークの安全性が信頼出来ないと主張した。