コロンビア、大規模ストに備え国境封鎖 南米諸国の抗議運動が波及
(CNN) 南米コロンビアは、労働組合や学生団体などが全土で21日に計画している大規模なストライキに備えて国境を封鎖した。
コロンビアでは昨年8月に就任した社会保守系のドゥケ大統領に対し、失業率の増加や経済改革、治安の悪化をめぐる批判が高まっていた。
抗議運動には労組や教員、学生、先住民活動家などが参加している。
南米ではエクアドル、チリ、ボリビアでも景気低迷や腐敗、格差などに対する国民の不満が高まり、今年に入って大規模なデモが繰り返されるなど社会不安が広がった。
コロンビア移民局によると、国境の封鎖によって、エクアドル、ペルー、ブラジル、ベネズエラからの陸路あるいは海路での入国が制限される。封鎖は21日午前0時から始まり、22日午前5時まで続く。
政府はさらに、地方自治体が夜間外出禁止や移動の自由の制限、アルコール飲料の販売禁止といった臨時措置を講じることも許可した。
ドゥケ大統領はツイッターに投稿した動画を通じ、平和的な抗議運動は民主主義の表現として認めると述べ、コロンビアが多くの課題に直面していることを確認した。
その上で、デモを「扇動」の機会ととらえる人々には警戒感を示して平和的なデモを呼びかけ、「我々は公共の秩序を保証し、憲法で認められた全ての手段を使って、コロンビア国民が平和に暮らす権利を守る」と牽制(けんせい)した。
学生団体や労組は、経済改革を批判してストを呼びかけていた。ドゥケ大統領は、大規模な労働改革や年金改革は行わないと説明している。
南米情勢に詳しい専門家は、経済成長に伴う格差の拡大により、各国で国民の不満が増大していると指摘した。