ロシア衛星が米衛星を追跡、「異常かつ不穏な挙動」 米宇宙軍
(CNN) 米宇宙軍は10日、ロシアの人工衛星が軌道上で米国の人工衛星を追跡するという「異常かつ不穏な挙動」を見せていると発表した。
宇宙軍のジョン・レイモンド司令官は声明の中で、ロシア政府が昨年11月に衛星1基を打ち上げ、そこから2番目の衛星が放出されたと発表した。
これらの衛星は米政府の衛星の近くで活動していて、その挙動はロシアが2017年に「監査衛星」として配備した衛星群と似ているとした。
米国は、敵対する国家の宇宙での行動に対して懸念を強める中で、1947年以来の独立軍となる宇宙軍を昨年12月に創設した。トランプ政権は10日、国防予算の一環として、宇宙軍など宇宙関連の活動に180億ドル(約2兆円)の予算を要求している。
ロシア国営タス通信によると、問題の衛星は昨年12月に2番目の衛星を放出した。ロシア国防省は当時、「この実験の目的は、国の衛星の技術状態に対する評価を継続することにある」としていた。
レイモンド司令官は、これでロシアも宇宙空間を戦闘領域に変えた国家の仲間入りをしたと主張、ロシアの衛星の最近の挙動は「異常かつ不穏であり、宇宙に危険な状況をつくりだす可能性がある。憂慮すべき行為であり、責任ある宇宙飛行国家の行動を反映していない」と批判した。
同司令官はさらに、2017年に配備されたロシアの衛星のうち1基が、宇宙空間に高速飛翔体(ひしょうたい)を発射したことにも言及、これは兵器の特徴を表していたと述べた。米国は翌年の国連軍縮会議でこの問題を取り上げている。