スケートリンクが遺体安置所に、葬儀社が回収中止 スペイン
スペイン・マドリード(CNN) 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)が急拡大しているスペインで、マドリード市内のアイススケートリンクが仮設の遺体安置所に転用された。地元当局が24日、CNNに明らかにした。
地元自治体によると、COVID―19のために死亡した人の遺体は現在、軍の緊急部隊によってマドリードのオルタレサ地区にあるアイススケートリンクに搬送されている。
当局はこれを「一時的な例外措置」と位置づけ、「遺族の苦痛を和らげ、マドリードの病院が置かれている状況を緩和する」ための対策と説明している。
スペインで確認された症例は、中国、イタリア、米国に次いで世界で4番目に多く、死者の数は3番目に多い。同国首相府の24日の発表によると、確認された症例は3万9673例、死者は2696人に上る。
マドリード市営の葬儀社は23日、作業員の感染を防ぐための防具が確保できないとして、COVID―19による死者の遺体回収を中止すると発表した。
遺体の火葬や埋葬などはCOVID―19の死者についても通常通りに続けるとしながらも、別の葬儀業者によって棺(ひつぎ)に納められた遺体が届けられた場合に限るとした。
マドリードはスペインの流行の中心地の1つで、マドリード自治州政府のイサベル・ディアス・アユソ首相は先週、市民の8割がCOVID―19に感染する可能性があると述べていた。
スペインは13日に緊急事態を宣言して封鎖状態にある。期間は当初15日間としていたが、サンチェス首相は22日、さらに14日延長する可能性があると表明。議会は25日にこの動議について審議する。
住民は外出しないよう指示されており、24日には老人ホームなどに対し、搬出できない遺体がある場合は政府に連絡するよう通告する措置が発効した。