炎症疾患で重篤化の子ども増加、新型コロナと関連か 英
ロンドン(CNN) 英国で子どもが炎症性疾患の重篤な症状を示すケースが少数ながら増加傾向にあり、新型コロナウイルス感染との関連が疑われるとして、英イングランドの国民保健サービス(NHS)が現場の医師らに警告を発した。
英小児集中治療医学会(PICS)は26日、NHSイングランドからの「緊急警報」をツイッターに投稿した。
それによると、子どもが非定型の川崎病と毒素性ショック症候群の特徴が重なった症状を示し、さらに血液検査の数値が新型ウイルス感染の重症化例に当てはまるというケースがまれに報告されている。
共通する具体的な特徴としては腹痛と胃腸症状、心臓で起きる炎症が挙げられる。乳幼児に多い原因不明の病気である川崎病では、全身の血管が炎症を起こすことが知られている。
27日付のNHS機関誌によると、ここ3週間のうちにロンドンをはじめとする英各地で、多臓器の炎症により集中治療を要する子どもが年齢を問わず増えてきた。新型ウイルスとの関連が疑われる一方、新型ウイルスとは別に正体不明の感染性病原体がかかわっている可能性もあり、懸念が強まっているという。
PICSは、新型ウイルスに感染した子どもが重体となって集中治療室に入る例は世界でも極めて少ないが、NHSが挙げた特徴に当てはまる子どもの症例が全国で少数ながら出ていることは認識していると述べた。
NHSの小児科部門責任者はCNNとのインタビューで、川崎病に似た症例も、子どもが新型ウイルス感染で重篤化するケースも今のところ非常にまれだと強調。そのうえで、医療現場では素早く適切に対応できるよう、関連の可能性を認識しておくことが重要だと語った。