「医学博士」のNFL選手、今度は新型コロナの最前線へ
(CNN) 米プロフットボールリーグ(NFL)の年間王者を決める「スーパーボウル」で優勝した経験を持つ選手が今、新型コロナウイルス対策の最前線でも闘っている。
昨シーズン50年ぶりの王者となったカンザスシティー・チーフスで右のガードを担うローレント・デュバネイターディフさんは医学の学位を持った初のNFL選手。現在はカナダ・モントリオールの介護施設で働いている。スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」への寄稿によれば、デュバネイターディフさんは「看護の役割」を担っている。
「病院に戻った初日は4月24日だった。前の日の夜は緊張した。しかし、よい緊張だ、試合前のような」(デュバネイターディフさん)
デュバネイターディフさんは2014年のドラフトで6巡目に指名された。4年後、カナダのマギル大学で医学の学位を取得した。
恋人とのシーズンオフの休暇中に新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる報道を見て、生まれ故郷であるカナダで手助けをしたいとの思いが強まった。
医療行為を行う許可証を持っておらず自分に何ができるのか相手側も理解していなかったが、その間もほとんど毎日、当局者から情報提供が行われたという。
デュバネイターディフさんは、チーフスからの確認も受けて、医療の専門家として支援する道が開かれた。手術着の付け方や消毒の全ての手順といった事柄について「特訓コース」で学習したという。
デュバネイターディフさんは、そうした用具は自分自身だけでなく患者を保護するためにも、これまでになく重要だとしている。
デュバネイターディフさんはNFL選手組合のタスクフォースの一員となり、専門家とも協議しながら、NFL再開に向けた安全な方策の策定を進めている。タスクフォースでは、チームでの練習や移動、試合の実施について検討を行う予定だという。