麻薬密輸犯に「ズーム」裁判で死刑宣告、シンガポール最高裁
(CNN) シンガポールの最高裁判所は23日までに、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を通じ薬物取引事件の男性被告に対し死刑の判決を言い渡した。ズームの利用は新型コロナウイルスの予防策の一環。
最高裁の報道担当者は、リモート(遠隔)裁判で死刑が宣告された刑事事件はシンガポールで初めてとも述べた。
この被告は37歳のマレーシア人男性で、2011年にヘロイン28.5グラムの違法取引事件の共犯と断定され、今月15日に死刑の判決が下った。最高裁は被告はこの取引の首謀者とも位置付けた。
被告側の弁護士はCNNの取材に、今回の判決の言い渡しはズームを通じて実施されたことを確認した。最高裁の報道担当者は、新型コロナの感染拡大を最小限にするための対策として同裁判所が刑事事件を含め審理は遠隔操作方式で進めているとも述べた。
シンガポールでは新型肺炎の防疫対策として多くの公共施設などの閉鎖が続いている。ただ、経済活動は段階を追った緩やかな再開へ動いている。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、シンガポール内での感染者数は23日午後の時点で3万426人、死者は23人となっている。