映画監督を逮捕、1週間未満で3人 イラン
(CNN) イランの著名な映画監督、ジャファル・パナヒ氏(62)が11日、首都テヘラン市内で逮捕された。
政府系のメヘル通信によると、パナヒ氏はこの日、先週逮捕された映画監督のモハマド・ラスロフ氏を訪ねて検察庁へ出向いた際に逮捕された。
パナヒ氏は2015年の作品「人生タクシー」でベルリン国際映画祭の最高賞「金熊賞」を受賞した。
ラスロフ氏の作品「悪は存在せず」は20年の金熊賞に選ばれた。政府系ファルス通信によれば、同氏は8日、同じく映画監督のモスタファ・アフマド氏とともに、地域社会を扇動し精神的な安定を乱そうとした容疑で逮捕された。
ロイター通信は国営イラン通信(IRNA)の報道として、ラスロフ、アフマド両氏は5月に南西部アバダンで起きたビル倒壊への抗議運動をめぐり、治安部隊の武装解除を求める書簡に署名していたと伝えた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、ラスロフ氏は過去にも、作品の内容が反体制プロパガンダだとして禁錮1年と2年間の映画制作禁止を言い渡されていた。
パナヒ、ラスロフ両氏が受賞歴を持つカンヌ国際映画祭は11日、3氏の逮捕と「イランで進行する芸術家への明らかな弾圧」を強く非難し、即時解放を求める声明を出した。
イランでは経済状況の悪化や核交渉のこう着状態を背景に、政府に対する抗議の声が強まっている。