コロナ都市封鎖に住民が異例の「反乱」 中国・広州
香港(CNN) 中国の製造業の中心地・広東省広州で14日、新型コロナウイルス感染症のロックダウン(都市封鎖)下にある住民による抗議活動が起きた。自宅閉じ込めのバリケードを壊し、厳しい規制に反抗して街頭に出ている様子をとらえたビデオや画像がソーシャルメディアに流れた。
ビデオなどには、広州で続いている新型コロナ感染拡大の震源地として今月5日から外出制限が強化されている海珠区で、群衆が歓声を上げ、倒されたバリケードを越えて道路を埋め尽くしている様子が映っている。
複数のソーシャルメディアのユーザーが14日夜に同区の通りで起きたと語ったシーンでは、金属製のバリケードが落ちるけたたましい音が近隣に響き渡り、歓声と混ざり合っている。
あるビデオでは、防護服に身を包んだ新型コロナの作業員がバリケードが倒れるのを傍観しながら、人々に話しかけようとする様子が映っている。別の動画の背後では「彼らは反乱を起こしている」という女性の声が聞こえる。CNNは画像の撮影場所を海珠区としたが、独自に確認することはできなかった。
抗議の参加者数や、抗議が続いた時間などは不明だ。抗議に関連する投稿は検閲によってインターネットから直ちに削除された。
当局が抗議を厳しく取り締まる中国では、このような抗議行動は極めて異例で、政府の厳しい「ゼロコロナ」政策に対する国民の怒りと絶望が高まっていることの表れとみられる。
広州では15日に5100人超の新規感染者が報告され、その大半は無症状だった。新たなコロナ変異株が急速に拡大する中、ウイルスの蔓延(まんえん)を食い止めようとする政府の容赦ない措置は持続可能性という疑問に直面している。