中国が不妊治療に保険適用、無償化へ 少子化対策の一環
香港(CNN) 中国政府による少子化対策の一環として、不妊治療が公的医療保険の対象となり、無償化されることになった。
政府の医療保障局が発表したところによると、新たに体外受精などの生殖補助医療(ART)や、無痛分娩(ぶんべん)に保険が適用される。
同局は、人口減少が国家発展の大きな妨げになっているとしたうえで、不妊治療の負担を軽減するため、すでに排卵誘発剤は保険の対象に加えていると説明した。
中国では出生率の低下に歯止めがかからず、昨年は約60年ぶりに人口が減少に転じた。
一方で経済的な制約やキャリアを優先させる必要性を理由に結婚を遅らせたり、子どもを持たない選択をしたりする女性が増えている。
上海のような都市で体外受精を受けた場合の関連費用は平均約60万~65万円。保険が適用されれば、負担の一部軽減が期待できる。
国立産婦人科臨床研究センターによると、中国には2021年6月の時点でARTの認定医療機関が539カ所、精子バンクが27カ所あり、毎年100万件以上の体外受精が行われている。