米中間の貿易額、昨年は過去最大を記録 切り離し論尻目に
香港(CNN) 米商務省経済分析局は9日までに、米国と中国との間の貿易額が昨年、約6906億ドルと過去最大を記録したと報告した。
中国への輸出額は24億ドル増の1538億ドルで、輸入額は318億ドル増の5368億ドルの大幅赤字となっていた。対中貿易での過去の最高額は2018年の6588億ドルだった。
米中間では政治的な緊張が高まり、米政策立案者らの間では経済や技術分野で両国間のデカップリング(切り離し)を模索する声も出ているが、貿易現場では現実的な対応が進んでいることを示唆している。
英経済誌「エコノミスト」の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」の世界貿易担当首席アナリストはCNNの取材に、サプライチェーン(供給網)の問題は難しく、中国絡みでは特にだと強調。
米政府はサプライチェーン(供給網)で中国への依存度を下げようとしているが、大半の企業は自らの製品を消費者の元へ時間通り届けることに留意し、業務運営でコスト効率が最も良い方法で進めていると指摘した。
中国との貿易ではトランプ前政権が18年、数百億ドル規模の追加関税を中国製品に課し、赤字解消を迫る強硬策を発動した。これらの措置は大部分がそのまま生き残っている。
バイデン政権も米中対立の深まりを踏まえハイテク製品を中心に対中貿易の制限措置を図ってもいる。中国の軍事力増大をにらみ軍事的に転用できる技術入手などを封じ込める新たな方途も打ち出している。