中国のICBM発射台数、米国を上回る 米軍幹部が議会に通知
ワシントン(CNN) 米軍幹部が先月議会に対し、中国が保有する地上配備型の固定式、移動式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射台の数は米国を上回ると通知したことが分かった。連邦議会に送付された書簡から明らかになった。
書簡は米国の核兵器を監督する米戦略軍のコットン司令官が送ったもの。昨年10月の時点で、中国の保有する地上配備型の固定式、移動式のICBM発射台の数は「米国内のICBM発射台の数を超えている」としている。
ICBMや核弾頭の数では中国は米国を上回っていないとも指摘した。
議会軍事委員会の共和党指導者らは7日発表の共同声明で書簡に触れ、「米国への警鐘」と位置づけた。
声明は中国の核兵器近代化計画が大方の想定を超えるスピードで進んでいると指摘したうえで、「核態勢を修正して中ロを抑止するには一刻も無駄にできない。数を増やし、新たな能力を獲得しなければならない」としている。
書簡の詳細については米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じた。
米中間では現在、中国の偵察気球とみられる物体が4日に大西洋上空で米軍機に撃墜されたことで、緊張が高まっている。ブリンケン国務長官は米本土上空への気球の飛来を「米国の主権と国際法の明白な侵害」と呼び、予定していた北京訪問を延期した。
一方、中国は気球が米国に入ったのは「完全な不慮の事態」だと主張。5日には、中国は「さらなる必要な対応を取る権利」を留保すると表明した。