黒人男性暴行死で起訴の元警官5人、3日前にも別の暴行か 米メンフィス
(CNN) タイリー・ニコルズさんの暴行死事件で起訴されたメンフィスの5人の元警官が、事件の3日前にも別の黒人男性を暴行したとして、7日に提訴された。
警官とメンフィス市を提訴したモンテリウス・ハリスさん(22)は、先月4日、警官に逮捕される際に暴行を受けたと訴えている。
メンフィス警察は「係争中のためコメントできない」と述べた。CNNはメンフィス市と警官にもコメントを求めた。
宣誓供述書に書かれた警官の説明は訴状の内容と食い違っており、原告は警官が「偽証」したと訴えている。
警察側の宣誓供述書によると、警官はハリスさんの車から大麻のものとみられるにおいがしたため、車から降りるよう要請した。するとハリスさんが「猛スピードで」車をバックさせようとし、その後、車から降りて逃走した。さらに「大麻の入った」透明な袋を投げ捨てたとされる。ただし逮捕の際にもみ合いになったことや、けがを負わせたことは記載されていなかった。
一方で今回の訴状によると、ハリスさんは集合住宅でいとこと落ち合った。いとこはしばらく車内にいたが、ジャケットを取りに外に出たという。その間にスキーマスクをつけた警官が現れ、車内から拳銃と鎮静剤、大麻を発見した。拳銃はいとこが残していったもので、ハリスさんは存在を知らなかった。警官は誰一人身元を明らかにせず、降車を求めた理由も明らかにしなかったという。
警官はその後ハリスさんに殴る蹴るの暴行を加え、コンクリートの上を引きずってから拘束した。留置所に到着したハリスさんは頭部から出血し、左目は腫れ、両脚はむくんであざだらけだった。所内の看護師が病院への搬送を命じるまで、治療は受けなかったという。
ハリスさんは損害賠償と懲罰的損害賠償として500万ドルを請求している。