インド当局、BBCのオフィスを捜索 モディ首相批判番組は放送禁止
ニューデリー(CNN) インドの税務当局が14日、ニューデリーとムンバイにある英BBCのオフィスの家宅捜索に入った。インド政府はこの数週間前、ナレンドラ・モディ首相を批判する内容のBBCのドキュメンタリー番組を放送禁止としていた。
BBCニュースは、家宅捜索を受けたオフィスは入ることも出ることも許されていないとテレビで報じた。
放送禁止となった番組は、20年以上前に西部グジャラート州で大勢の犠牲者を出した暴動に、当時同州首相だったモディ首相が関与したとして批判する内容だった。インド政府は「緊急権限」を行使してこの番組の放送を禁止したと述べ、ツイッターもユーチューブもこの命令に従ったとしていた。
放送禁止をめぐっては、報道の自由に対する侵害として非難の声が上がる一方、モディ首相の支持派は賛同を表明している。
BBCの広報はCNNの取材に対し、当局には全面的に協力していると説明。「この状況ができるだけ早期に解決されることを願う」とした。
先月には、デリーの大学生数人が禁止された番組をキャンパス内で見ようとして警察に拘束され、モディ政権下で自由が制限されつつあるとの懸念が高まった。
与党インド人民党の広報は14日の記者会見で、企業は報道機関も含め、インドの法律に従い、尊重する必要があると強調した。
一方、新聞や雑誌の発行者でつくる「エディターズ・ギルド・オブ・インディア」は同日、今回の事態を「深く憂慮する」との声明を発表。「政府の政策や支配層に批判的な報道機関に対し、政府機関を使って脅迫や嫌がらせをするトレンドが続いている」と述べ、これを「立憲民主主義をないがしろにするトレンド」と位置付けた。