新型兵器の製造に困難抱えるロシア、旧型投入で継戦能力維持か CSIS報告書
ロシアが数十年前の戦車を稼働させなくてはならないのは、新たに製造するだけの資源がないためだと報告書は指摘。西側諸国による制裁の結果、部品の調達が不可能となり、最新式の戦車を組み立てられない状況にあるという。
具体的には砲手が標的を捉えるのに必要な光学システム、ボールベアリング、工作機械へのアクセスが制裁により絶たれたと報告書は指摘する。侵攻前の生産期間中、光学システムはフランスからの輸入に頼っていたという。
これらの輸入が途絶えたことで、光学システムはより旧式のものを搭載せざるを得ず、砲手の射程は最大で2キロ短くなった可能性があると報告書は指摘する。
また高品質のボールベアリングはあらゆる種類の移動車両を製造する上で極めて重要な部品だが、侵攻前のロシアにこれらのベアリングの55%を供給していたのが欧州と北米だった。これらの供給源が失われた今、ロシアは不足分を国内生産か品質で劣る中国産やマレーシア産の輸入で補おうとしているとみられる。
いずれにせよ、侵攻前の品質を保つことは不可能な状況だ。
航空機や無人機、ミサイル、電子戦の装備についても、マイクロチップなど最新のハイテク機器が必要になる。これらをロシアが国内で適切に供給することは不可能であり、西側の制裁が発動する中にあって輸入も困難が生じると、報告書は述べている。