ヘルソン訪問のプーチン大統領、現地の戦況を質問
(CNN) クレムリン(ロシア大統領府)は19日までに、プーチン大統領がウクライナ南部ヘルソン州を訪問した際の動画を公開した。動画にはプーチン氏を乗せた車列がヘニチェスクを訪れたことを示す看板を通過する様子が捉えられている。同地にはロシア軍が拠点を置いている。
プーチン氏は17日、訪問先で、軍司令官らとウクライナ南部の状況について協議した。
プーチン氏は、指揮系統に関連する直接の任務から司令官らの注意をそらしたくないとし、「したがって、我々はここで、ビジネスライクに、簡潔に、だが具体的に作業をする」と述べた。
クレムリンの発表によれば、プーチン氏はさらに、状況がどのように進展しているのか、司令官らの意見を聴き、情報交換を行うことが重要だと述べ、ヘルソン州やザポリージャ州の戦況を報告するよう求めたという。
ロシア軍はウクライナのヘルソン州とザポリージャ州の一部を占領している。専門家の一部は現地の前線が今後数カ月のうちにウクライナによる反転攻勢の中心になるとみている。
プーチン氏はまた、空挺(くうてい)部隊の責任者を務めるミハイル・テプリンスキー氏に考えを尋ねた。テプリンスキー氏は長期間にわたって前線におり、非常に詳細な報告を行ったという。
テプリンスキー氏は最近までロシア国防省からの支持を失っていたとみられていたものの、英国防省は先週、テプリンスキー氏が復権したとの見方を示した。
英国防省によれば、テプリンスキー氏は兵卒から広く尊敬されている数少ない司令官のひとりであり、最近のテプリンスキー氏の浮き沈みは、ロシア軍のウクライナでの対応について、ロシア軍参謀本部内で激しい派閥争いが起きていることを示唆しているという。
英国防省は、テプリンスキー氏について、昨年11月に比較的成功を収めたドニプロ川西岸からの撤退を統括したものの、今年1月に現場から外されたと分析していた。