ワグネル元戦闘員、ウクライナ市民殺害の告白を撤回
(CNN) ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元戦闘員として、ウクライナの子どもたちを含む市民らを殺害したと告白したロシア人男性が、ロシア通信社「RIA―FAN」とのインタビューで発言を撤回した。
元受刑者のアザマト・ウルダロフ氏とアレクセイ・サビチェフ氏は最近、ロシアの人権団体「グラグ・ネット」の創設者であるウラジーミル・オセチキン氏とのインタビューで、ワグネルが刑務所から採用した戦闘要員としてウクライナへ送り込まれたという体験を告白した。
ウルダロフ氏はこの中で、「上層部の判断」で皆殺しの命令を受け、5~6歳の女児を射殺したなどと話していた。
しかし、ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏とつながりを持つRIA―FANとの新たなインタビューでは、告白インタビューの撮影時は酒に酔っていたうえ、オセチキン氏から脅しを受けていたと主張。発言を強要されたのかという質問にその通りだと答え、「あのように話す以外、選択の余地はなかった」と述べた。
さらに「プリゴジン氏は素晴らしい人」と両手の親指を立て、「彼が私たちの命を救ってくれた」と話している。
一方、フランスに拠点を置くオセチキン氏はCNNに、両氏とのインタビューの内容に間違いはないと強調。ウルダロフ氏の発言撤回は、ロシアで反体制の声がいかに素早く抑え込まれるかを証明していると指摘した。
オセチキン氏はさらに、ウルダロフ氏ら2人は告白を撤回しなければ命はないという脅しを受けたとの見方を示した。
サビチェフ氏はオセチキン氏に、15歳以上の男性を全員殺害するよう指令を受けたなどと話していた。