ハマス攻撃のキブツで100人超の遺体 イスラエル南部
(CNN) イスラエル南部のキブツ(農業共同体)のベエリで10日までに、100人超の遺体が見つかった。パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが攻撃を開始した際に展開された行為の詳細が徐々に明らかになりつつある。
ガザ地区に近く、人口1000人ほどのベエリは7日朝に始まったハマスによる攻撃で最初に標的となった地域の一つで、激しい攻撃を受けた。
イスラエル当局や、CNNが入手して位置情報などを確認した映像によると、市民らは殺害されたり人質となったりした。
映像によると、重装備のハマス戦闘員がバイクに乗ってベエリに入ったのは午前7時ごろ。その30分前に戦闘員らは、テクノロジーを駆使して厳重な警備態勢が敷かれているガザ地区とイスラエルの境界の壁を突破した。
その後、惨事が発生した。映像には、戦闘員らが車から3人の遺体を引きずり出し、その車で北へ向かう様子が映っている。最初にSNS「テレグラム」で公開されたこの映像は監視カメラで撮影されたもので、CNNはベエリ北東部の交差点の映像であることを確認した。
別の映像では武装した戦闘員らが市民5人を人質にしており、その後4人の遺体が近くの地面に横たわっている様子がCNNが確認した別の映像に映っている。
恐怖におびえる住民らが地元テレビ局チャンネル12に語ったところによると、ハマスの戦闘員らは民家に押し入ろうと一軒一軒回ったという。
発見された107人の遺体の大半はベエリの住民だったが、捜索救助隊の広報担当者はイスラエルの治安部隊の隊員の遺体も含まれていたとCNNに明らかにした。
イスラエル軍は9日、ベエリが非常に激しい攻撃を受けたことを認めた。