大型犬が2歳児襲い野犬対策を強化、行き過ぎと反発も 中国
香港(CNN) 中国で2歳の女の子が大型犬に襲われる動画が出回ったことを受け、各地の警察などが野犬対策の強化に乗り出した。これに対して行き過ぎだと反発する声も噴出している。
当初、当局の迅速な対応は賞賛の的になっていたが、間もなくSNS上で、乱暴な野犬狩りが行われたり、場合によっては殺処分されたりしているという証言が相次いだ。
「1頭の大型犬が1人の子どもをかんだからという理由で、容赦ない警備員や警察によって全ての大型犬狩りが行われている」。大手SNSの微博(ウェイボー)にはそんな投稿が寄せられた。
2歳の女の子は今月16日、西部の四川省崇州で、母親と一緒に集合住宅の敷地を出たところで大型犬のロットワイラーに襲われた。
母親は娘を守ろうとしたが、女の子は犬に引きずり回され、ほうきを持って助けに入った清掃員も犬を追い払うことはできなかった。
別の男性がようやく木の棒で犬を追い払った。母親は地面に座り込み、娘を抱きしめて泣いていた。
女の子は病院に運ばれたが、全身をかまれ、腎臓破裂や肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負っていた。
当局はロットワイラーを捕獲し、飼い主を拘束した。
これをきっかけに、山東、江西、雲南、湖南、安徽などの各省が取り締まりを強化。主な狙いは野犬だが、リードを付けていない飼い犬も対象とされている。
各地の警察はパトロールを強化して野犬を捕獲し、リードを付けなかった飼い主には罰金を科している。山東省エン州の警察は「狂犬」を捕獲して安楽死させると宣言した。
国営系のメディアによると、重慶では大学のキャンパスで小型の野良犬が警備員に捕獲されて殴り殺され、ネットで非難の的になった。
上海では、警官が出動してシェパード犬を引きずっていく画像をめぐっても非難が集中した。