「イスラエルの却下でガザに重要物資届けられず」 国連が非難
(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は9日、OCHAと世界保健機関(WHO)が前日に予定していたパレスチナ自治区ガザ地区北部への必要不可欠な物資の搬入をイスラエル当局が却下したと明らかにした。
ガザではイスラエル軍の攻撃で220万人超が脱水症状や飢え、命に関わる病気に直面しているが、当局の却下によりガザにおける壊滅的な人道危機を抑制しようとしている支援団体の取り組みが妨げられている。
OCHAの説明によると、OCHAとWHOは8日にガザ市の薬局とガザ北部ジャバリヤのアウダ病院に「緊急の医療物資」を、また水供給と汚物処理の施設に「稼働に必要な燃料」を届ける計画だった。
OCHAによると、薬局と病院への物資供給の取り組みをイスラエルが却下するのは昨年12月26日以降、5回目。OCHAはイスラエルの措置により、ガザ北部の5カ所の病院は救命に必要な医療物資や医療機器を使えなくなっているという。
同時に、水供給と汚物処理の施設への燃料供給をイスラエルが拒否し続けているために、何万人もの人々が清浄水を利用できず、汚水があふれる恐れが高まっており、伝染病が蔓延(まんえん)するリスクが著しく高くなっているとOCHAの声明にはある。
国連のパレスチナ常駐調整官を務めるリン・ヘイスティングス氏は以前、ガザの人々から食料や水、医療、衛生を奪うことは「正当化できない」と警告した。
CNNはイスラエル軍と、イスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)にコメントを求めている。