ナワリヌイ氏の母親、遺体返還求め提訴 ロシア
(CNN) ロシアの北極圏にある刑務所で死亡した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)の母親のリュドミラ・ナワルナヤさんは21日、息子の遺体の返還を求めて訴訟を起こした。ナワリヌイ氏の反汚職財団のディレクター、イワン・ズダノフ氏が明らかにした。
ロシア国営メディアは同日、ナワリヌイ氏が収監されていた刑務所近くのサレハルド市の裁判所に、ナワルナヤさんからの「不法な行為と決定」についての「訴状」が提出されたと報じた。だが、被告となる人物または団体や、訴えの詳細については触れていない。
裁判所は国営タス通信に、来月4日に非公開で審理が行われると明らかにした。
ナワリヌイ氏の遺体について、刑務所の係員はナワルナヤさんにサレハルド市の安置所に移したと伝えていた。だが、ナワルナヤさんとナワリヌイ氏の弁護士が先週末、遺体安置所を訪れると、遺体はないと告げられた。
ナワリヌイ氏の広報担当者キラ・ヤルミシュ氏によると、ナワルナヤさんらはこれまでに少なくとも2回、遺体安置所への立ち入りを拒否されている。
ナワルナヤさんは20日、「息子に会わせて」とプーチン大統領に直接訴える映像を公開した。
プーチン氏を激しく批判していたナワリヌイ氏は、旧ソ連時代の神経剤「ノビチョク」による被害の治療で滞在していたドイツから2021年2月にロシアに帰国。その直後に逮捕され、それ以降収監が続いていた。
刑務所を管轄する当局は16日、ナワリヌイ氏がシベリアの刑務所で同日死亡したと発表した。死因は不明。