ロシアのタンカー座礁、海岸に押し寄せる重油 油まみれの鳥の姿も
(CNN) ロシアの黒海に面した海岸の幅広い範囲に、座礁したロシアのタンカー2隻から流出した重油が漂着している。
CNNが位置情報を確認した映像によると、マズートと呼ばれる低品質の重油の黒い波が、ロシア本土とクリミア半島を隔てるケルチ海峡に近いロシアのクラスノダール地方に押し寄せている。
油まみれになった一羽の鳥が、翼を広げて飛び去ることもできないまま、砂の上に座って波に打たれ、鳴き声を上げる映像もある。
ウクライナのグリーンピースは17日、重油流出の影響は少なくとも60キロの海岸線に及び、マズートに汚染された鳥たちが死んでいると伝えた。
タンカー2隻は15日、数千トンの燃料を積んでケルチ海峡を航行中、強風にあおられて座礁した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ロシアが「老朽化した整備不足の」船舶を悪天候の中で航行させたとして非難。「我々の海がまたしても、ロシアの引き起こした環境災害に遭っている」と訴えた。
海上警備会社アンブリーによると、タンカーのうち1隻はマズート4300トンを積載していた。こうした旧ソ連時代の船舶はここ数年、悪天候のため故障や沈没が相次いでおり、ロシアは欧米の制裁が原因で老朽化した船舶の修理に苦慮しているという。
クラスノダール地方の首長によると、海岸に漂着した重油の除去作業は悪天候に阻まれて難航。除去作業がいつ終わるかは分からない状況にある。
ノボロシスク市の北部アナパ近郊の海岸に重油が押し寄せる映像もあり、ロシアのエコロジストは「悪臭がひどいと地元住民が訴えている」とテレグラムに書き込んだ。